☆☆きらきら通信☆☆   H23・1・11

「かつて東北には、娘が生まれると、自宅の庭に桐の木を

植える風習があった」と、新聞に書いてありました。

そして「娘に物心がついたころ、親は「これはあなたの木だ」と教え、

育てさせるのだそうです。木は子供とともにぐんぐん成長していく。

やがて年頃を迎え、娘の結婚が決まると、親は職人に託し、

その木で小さなタンスや下駄を作り、嫁ぐ際に、持たせた」

という親の思いが書かれてありました。

過日60歳代後半の男性が、数年前に奥様を亡くされ、

寂しいので再婚が出来たらと、相談にみえました。
よくよくお話を伺うと、不動産や財産をたくさんお持ちで、

1年間の収入が億単位なのには、びっくりしてしまいました。
長身で、スマートで、素敵な方でしたし、人柄も温厚そうな方でしたので、

この方なら女性にはもてるだろうな?という印象を持ちました。
私なりに結婚相談所のシステムや、状況をお話した所、

とても共感してくださり、登録する事を約束してお帰りになりましたが、

数日後お電話がありました。「実は再婚の事を娘に話した所、

反対されました」と。訳をお聞きした所、財産分与の事で反対されたようでした。
確かに途中から入籍するという事は、

財産の半分をあとから来る人に分与する義務があります。
かつてご夫婦で長年築いた財産でしょう、ご苦労もあったことでしょうし、

子供達もそれをご存知だったのかも知れません。
結局、その紳士は登録はせず、伴侶を得ることもなく、

数年後亡くなったようでした。

たまたまその紳士の友人と、私の知り合いと同じ方で、

そのことをあとで伺い、複雑な気持ちでいっぱいでした。

先程の新聞に掲載されていたように、子供の成長だけを

楽しみにしてきた親と、成長した子供は、出来れば親にまだまだ甘えたい

という気持はあるようで、難しい問題と考えさせられました。
私にも子供がいますが、親の私が子供を思う気持ちは

誰にも負けないつもりですが、子供が親を思う気持ちは、

あれ?あれ?と思うことが良くあります。
子供にはそんな親(私)の気持を言ったことがありませんが、

ふと寂しい気持になる事もたまにはあります。
もちろん子供達とは、過去も今も仲良しなので、内緒の話ですが(内緒よ!)


仲人のきらきら通信